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長年、事業を共にされていたご主人を亡くされた奥さまより、相続税の申告をご依頼されました。

ご主人さまは60代でまだお若く、事業を引退したタイミングでお亡くなりになってしまわれました。

奥さまに最初お会いしたとき、「まだお若かったので、お辛いですね」とお声がけいたしました。

奥さまは、とてもさっぱりされた方で、悲しんでいらっしゃる様子もなく

「あ～ま～そうね。あははは。。」と笑っていらっしゃいました。

相続税申告の手続き中にも、二次相続対策を重点的に考えたいとのことで、遺産分割もお子様たちと何度もお話し合いされ、ご家族の納得行くように分割が終わりました。

遺産分割協議の際も、ご主人さまのことはほとんどお話にならず

生前のご主人さまの話題がのぼることもありませんでした。

 

ところが先日、相続税申告書にご印をいただき、登記の手続きも進み、完了になるところで、弊社宛に「しいたけ」をいただきました。

それはとても、立派な椎茸で、お店で売っても高価な値がつくようなものでした。

実はこの椎茸は、亡くなられたご主人さまと奥さまが栽培されたものだったのです。椎茸は、菌を仕込んでから、採取できるようになるまでにだいぶ時間がかかります。

お二人の愛情の詰まった椎茸です。

もったいなくて食べられない気持ちになりましたが、せっかくの椎茸を無駄にしないため、美味しくいただくことにしました。

 

ご夫婦のどちらかが亡くなられると、途端に気力をなくされる方も多いです。特に男性は、奥さまに先立たれると「辛い」と涙を流される方も多いです。

本当は自分が先に逝くはずだったのにと、これまでに何度も涙されるところを見てきました。

ですが、数年立つと、皆様良い思い出を胸に、また前向きに生きていかれます。それはご高齢でもです。

人間はいくつになっても前向きに生きていける心を持った生き物なのだなあと思います。

今悲しみの中にいらっしゃる方も、時間が解決してくれることがあります。良い思い出を胸に、生きていることを感謝しながら頑張っていきましょう

 

この記事を担当した税理士

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