相続コラムvol.47「亡くなる前の家のリフォームと相続税評価」
相続税申告において、被相続人の方の通帳を拝見しておりますと、大きな引き出しがあり、確認させていただくと、自宅のリフォームをした、屋根を直した、キッチン・バスを取り替えたなど、多いときには1千万円を超える額が出金されていることがあります。
このリフォーム費用の相続税上の取扱いはどうなるのでしょうか。
相続税における家屋(建物)の評価については、固定資産税評価額にて評価します。正確には、固定資産税評価額×倍率ですが、この倍率は、「1.0」となっています。
それでは、リフォームをした場合、この固定資産税評価額は改訂されるのでしょうか?
実際には、リフォームをしても固定資産税評価額は改訂されないことがほとんどだと思います。役所もリフォームに気付かないためです。
役所が明らかに気付くケースとしては、増築した場合です。増築した場合には航空写真等調査でわかったしまいます。そのまま申告をするとリフォームの価値はのらないままとなってしまいます。
では実務ではどのように評価するかというと。。。
① 原則
「そのリフォームに係る家屋と状況の類似した付近の家屋の固定資産税評価額を基として、その付近の家屋との構造、経過年数、用途等の差を考慮して評定した価額」で評価します。となっていますが、計算はなかなか難しいです。。。。曖昧過ぎて。。。
② 実務上
リフォーム前の家屋の固定資産税評価額 +(リフォーム費用-死亡日までの償却費)×70%
となっています。つまり実際のリフォーム費用をもとに価値を計上していくことになります。
*屋根の修理は?
亡くなる数ヶ月前に壊れてきた屋根を補修して300万円くらいかかった場合
→ 質疑応答事例等で具体的なリフォームの範囲が規定されていないので確定的なことは断言できませんが、私見では、その屋根の改修が元の屋根より価値の高いものになっていないような通常の維持修繕である場合には評価の必要はないと考えられます。
*評価が高すぎる場合の対策
大掛かりなリフォームをして古い家に1000万円以上かけた場合など、評価が高くなりすぎる場合、役所の固定資産税課に行って、リフォームをした旨を伝え、固定資産税評価額を見直してもらうべきです。固定資産税は増えるかもしれませんが、相続税の負担よりは影響が少ないケースも多いです。
この記事を担当した税理士
税理士法人葵パートナーズ
代表社員税理士
花田 直子
- 保有資格
税理士
- 経歴
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2002年に税理士試験合格。
2011年より税理士法人葵パートナーズの代表社員税理士を務める。
相続の相談件数1,800件以上の経験から相続税を中心とした相続に関する悩みを抱えている相談者からの信頼も厚い。
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